民事裁判

LINEの画面を証拠提出する場合

みなさんこんにちは。

相続と不動産で困った時の一番最初の相談先、

相続と不動産のパーソナルアドバイザー、税理士 兼 弁護士の中澤剛です。

 

民事裁判などで、LINEのやりとりを証拠として提出することがあります。

あるいは、依頼した弁護士から、「LINEのスクショ(スクリーンショット)を証拠として送ってください」と頼まれることがあると思います。

この記事では、そのような場合に気を付けるポイントを解説します。

他人である裁判官が読む

大前提は、証拠として提出するということです。

それは、何も知らない他人である裁判官が読むということです。

そのため、何も知らない他人が見て理解のできる形で証拠を提出する、というのが基本的な姿勢になります。

いつ作成されたものかが分かるようにする

他人である裁判官にも、いつ、誰とのやりとりであるのかがわかるようにします。

そのため、LINEを証拠提出する場合には、LINEの日付のある画面からスクショを取ります。

たとえば、2022/12/26の相手とのやりとりのLINEのボリュームが、いろいろやりとりをして5ページ分くらいになるということはよくあります。

このとき、LINEの画面上、日付が分かるのは、12/26の最初のメッセージの箇所だけで、それ以後は日付は出てこないです。この場合には、12/26という日付の記載のある個所からスクショにします。

3ページ目など、途中からスクショにすると、日付がわからないので、裁判官は、「これいつのLINEだよ」と突っ込みを入れながら証拠を読みます(裁判官に無用のストレスを与えることとなり、最終的にはこちらに不利益な判断につながるリスクもあります)。

 

また、LINEは、当日と「今日」「昨日」などと表現されている場合には、裁判官から見たら、「今日」とか「昨日」っていつのことだよ、ということになります。

そのため、2日前の日付の画面から全てスクショを取るなどの方法で、日付を特定できるようにします。

前後の繋がりが分かるようにする

LINEの証拠を出すときは、前後の繋がりがわかるように証拠を提出します。

具体的には、1ページ目と2ページ目の間の1,2行をスクショでダブらせるということです。

ダブりがないと、他人である裁判官は、2枚のスクショの繋がりが(繋がっているのか否かが)分かりません。

たとえば、次の2枚の画像を見てください

この2枚は、実際には繋がったLINEなのですが、他人である裁判官には、繋がっていることがわかりません。これでは不可です。

以下のように、繋がりが分かるようにスクショを取る必要があります。

これだと、重なっている部分があるので、1枚目と2枚目が繋がっていることがわかります。

テキストデータ(トーク履歴)も価値が下がる

LINEでのやりとりを、「トーク履歴」として出すのは、いっぺんにできるので、1枚1枚スクショを取るよりもラクで便利ですが、編集の可能性が出てきてしまう(裁判官に、「編集したのではないか?」と疑われるリスクが出てくる)ため、そのような可能性の低い、スクリーンショットの方が重要です。

少なくとも、重要な場面や相手と争いのある個所については、スクショを残すようにしてください。

ABOUT ME
弁護士 中澤 剛
相続と不動産の法律と税金を専門に扱う千代田区内唯一の弁護士 兼 税理士。 相続紛争など、家族にまつわる紛争案件と紛争案件の経験を生かした紛争予防(相続紛争や認知症によるトラブルの生前対策、税金対策)が強み。 「幸せの土台は家族関係」という想いから、日本中に感謝と敬意のある家族関係が増えることを目指して活動中。 息子(10歳)&娘(7歳)の父。 2010年弁護士登録。2018年税理士登録。 東大法学部卒。東大ボート部出身。淡青税務法律事務所所長。 倫理法人会、中小企業家同友会所属。