養育費の増額と減額

相手方が破産!?養育費はもうもらえないのか?

「元配偶者から、破産するのでもう養育費は払えない、という連絡が来た」。

養育費を支払う義務のある人(子どもの世話をしていない方の親)が破産してしまうと、もう養育費は払ってもらえないのでしょうか。

弁護士が解説します。

結論:養育費の支払い義務は破産によっては消滅しません。今後も養育費の支払いを求めることは可能です。ですから、支払いを求めるのを諦めないようにしてください。

ただし、養育費の額が減らされてしまい、あるいは事実上当面養育費を回収できない可能性があります。

以下は、もう少し詳しく解説していきますが、お時間ない方は、以上の結論だけ理解しておいて頂ければ、以下は読まないでも構いません。訪問頂き、ありがとうございました!

そもそも破産するとどうなるの

引き続きお読みいただきありがとうございます!

さて、破産しますと、通常、その破産者の債務(借金など金銭を支払義務)はチャラになります。

例えば、Aさんは、B社から500万円の借金をしていましたが、100万円は返済したけれど400万円の借金が残っている段階で破産したとします。

この場合、AさんのB社に対する400万円の借金はチャラになるのです。

B社は、Aさんに対して、400万円の支払いを求めて強制執行するといったことができなくなります。

破産した人の借金などの金銭支払義務がチャラになることを、お金を払う「責」任を「免」れさせることから、「免責」と呼びます。

養育費は免責の対象外

破産すると、破産者の金銭の支払義務がチャラになってしまう。

それならば、養育費の支払義務もチャラになってしまい、支払いを求めることができなくなりそうです。

しかし、そんなことはありません。

その理由は、養育費は、免責の対象にならない権利として法律上規定されているからです。

参考:破産法253条1項4号ハは、「免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。ただし、民法第766条の規定による子の監護に関する義務の請求権については、この限りでない。」という旨を規定しています(一部分かり易く編集しています)

「民法766条の子の監護に関する義務」とは、子の養育義務であり、養育費の支払義務のことです。

養育費というのは、子どもの健全な成長のための費用です。破産したからといって、子どもの健全な成長のために支払い責任を免れるとすることは相当ではありません。そのため、法律上、免責の対象にならないこととされているのです。

したがって、養育費については、たとえ相手方が破産したとしても、支払いを求めていくことが可能です。

破産手続き中の注意点(養育費も対象)

養育費が免責されないといっても、破産手続き中に養育費の完全な支払いを求められるかというと、そうではありません。

免責されないとしても、養育費も破産手続きに取り込まれます。

具体的には、破産手続きにおいては、養育費の権利者も、他の債権者と同じく債権額で按分された額の配当を受けます(配当がない場合もあります)。

先ほどの例で、Aさんが50万円を保有しており、B社に400万の借金があり、他方でCさんに対する未払いの養育費が100万円あったと仮定しましょう。

この場合、B社とCさんとで権利の額は4:1ですので、Aさんの50万円を4:1に按分し、B社とCさんとに40万と10万円とに分けられて配当されることになります。

その後、B社は、配当を受けられず残った350万円については免責の対象となるのでAに請求できなくなります。

他方、Cの養育費のうち配当を受けられず残った90万円については、免責されないので、破産手続き終了後にAに請求できる、ということです。

他方で、破産手続き開始後に生じた養育費については、このような制約はなく、通常どおり支払いを求めていくことが可能です。

養育費の支給額が減額される

とはいえ、義務者が破産してしまうと、経済的に養育費を支払うことも困難な状況となっていることが多いでしょう。

そのため、既に確定している養育費について、減額が認められてしまう場合があります。

あるいは、養育費の権利に基づいて強制執行しようとしても、差押えの対象となる財産が見つからず、回収できない危険性があります。

破産後、養育費の支払いが再開されるまでは、相手が再就職する、生活を改善するなど、一定の期間が必要となることが多いです。

破産されても養育費の支払い義務は消滅しない

以上のから、最初に述べた結論のとおりです。

大事な事ですので、改めて繰り返します。

養育費の支払い義務は破産によっては消滅しません。

今後も養育費の支払いを求めることは可能です。ですから、支払いを求めるのを諦めないようにしてください。

ただし、養育費の額が減らされてしまう可能性、あるいは、事実上当面養育費を回収できない可能性があります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 

 

 

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