裁判例

役員報酬を減らして養育費を下げることはできるか

役員報酬を減らすことで養育費を下げる【裁判例有り】

養育費は、養育費を払う親と、もらう側の親との収入を基礎に決まります。

では、A社の社長であるBさんが、養育費の額を減らそうと考えて、自分の給料(役員報酬)をわざと減らした場合は、払われる養育費の額も減るのでしょうか!?

養育費の額の決まり方などの基本的な事柄については、こちらの記事を参照ください

【養育費】新算定表の見方を弁護士がわかりやすく解説【3ステップ】

会社の社長などは、自分の給料(役員報酬)などを自分の考えだけで減らすようなことって、簡単にできてしまいます。

例えば、給料は減らして、その代わりに、給料と同じ額を会社からお金を借りたという形にしてしまうなどすれば、結局自分のもとに入るお金は変わらないままで、給料だけ減らすということが可能なわけです。

その場合でも、算定表をそのまま使えば、原則として、支払うべき養育費の額は減るということになりかねないわけです。

しかし、そんなズルが許されるのか、という話です。

この点が問題になった裁判例を2つご紹介します。

1つ目は、大阪高裁の平成18年の決定です。

この事案は、婚姻費用の支払義務を負う人が、会社の50%以上を有する経営者でした。

そのため、自らの報酬を決定することができる立場にあったと裁判所は認定しています。

その上で、役員報酬の減額は、報酬減額のタイミングなどからすると、婚姻費用の支払額を低額に抑えようとする目的でなされたものと考えられるとして、報酬減額前の収入を基礎として、婚姻費用を算出しています。

なお、この大阪高裁の事案は、婚姻費用の支払いが問題となった事案ですが、養育費についても同様と考えられます。

2つ目は、平成21年の大阪高裁の決定です。

養育費の支払義務者は会社の取締役で、同居時には月額38万円の報酬でしたが、別居直前に月額28万円に減額となりました。

裁判所は、支払い義務者の支出の状況などからみて、月額28万円という金額は収入の実態を反映していないとして、同居時の月額38万円を収入として採用しました。

以上のとおり、ことさら養育費の減額を狙って役員報酬を下げるようなことをしても、認められず、従前の役員報酬が基礎とされる可能性は十分にあります。

もちろん、実際に会社の業績が低下したことなどが理由で役員報酬を減額するというケースも十分あるわけで、役員報酬を下げれば即それを争うことが可能、というわけではありません。

しかし、算定表そのままの額で諦めるしかないのかというと、そうでないケースも考えられますので、諦めないで欲しいと思います!

今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

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