養育費と調停

【養育費の不払い】調停の申し立てを急ぐべき6つの理由

「元夫から養育費が支払われておらず、調停調書や公正証書などの債務名義も作成していない、どうしたらよいのか」と悩まれている方に向けて、経験10年の弁護士がこの記事を書きました。

「調停の申立てが遅れることによるデメリットをよく理解して行動するべき」です。

養育費の不払い時に調停の申立てを急ぐべき6つの理由

もらえる養育費の額が減るのを防ぐことができる

Aさんはシングルマザー。Bと3年前に離婚し、Bとの間の子どもCを一人で育てています。

離婚後3年間、Bからは一度も養育費が支払われていません。

このようなケースで、Aさんが、養育費の支払を求めて調停を申立てたとしましょう。

この場合、調停申し立て前の3年間分の養育費については、現在の家庭裁判所の実務では、養育費の不払いがあった場合でも、Bの承諾がない限り、支払い義務を認めてくれることは一部の例外を除きほぼありません。

養育費の支払い義務を認めてくれるのは、調停を申し立てた時以後の養育費に限られます。

ということは、調停を申し立てるタイミングが遅れるほど、認められる養育費が減ってしまう、ということです。

養育費の時効期間を10年間に延ばすことができる

調停や審判で養育費が認められた場合、その養育費は10年間時効にかかりません

たとえ相手に現在、養育費を支払うようなお金がないとしても、3年後、5年後、10年後には、経済状況が好転しているかもしれません。そのため、調停の申立てをして調停や審判が成立すれば、早めに申立てをしておくことで確保した養育費を、相手から回収できる可能性が非常に高まるのです。

その意味でも、調停の申立ては早めにしておいた良いです。

10年間時効にかからないのは、調停や審判など、裁判手続きを利用した場合です。

公正証書の作成など、裁判手続きを利用していない場合の時効期間は、個々の養育費の請求権が発生してから5年で時効消滅します。改正民法施行後も同様です。10年ではないので、注意が必要です。

強制執行を行うことができる

調停調書や審判は、債務名義と呼ばれています。債務名義があると、強制執行が可能となります。

以下の記事では、債務名義や強制執行について分かりやすく解説していますので、ご参照ください。

参考:【養育費の不払い対策】強制執行までの3ステップを弁護士が解説

したがって、早めに調停を申し立てておけば、多めに確保できた養育費について、強制執行によって回収をすることができる可能性が高まるわけです。

財産開示手続を利用できる

調停調書や審判を得られれば、財産開示手続を利用することができるようになります。

財産開示手続とは、その名の通り、

債務者(養育費の例で言えば、養育費の支払い義務を負う人)に、自らの財産を開示させる手続です。

今までは、相手方が財産開示手続に出頭しなかったり、嘘を述べたりした場合でも、最大30万円の過料という非常に弱い罰則しかありませんでした。そのため、十分な効果を上げることができていないと言われていました。

ところが、2020年4月に施行された改正民事執行法により、この財産開示手続が非常に強化されました。

2020年4月の改正民事執行法については、以下の記事をご参照ください。

参考:【養育費の回収】改正民事執行法の4つのポイント【不払い対策】

調停調書や審判を取得した人との関係で重要な改正点は、財産手続の罰則を大幅に強化し、最大6か月の懲役刑を導入したこです。不出頭の場合には、刑事告訴されることも増えると思われます。その結果、相手方が財産開示手続に出頭しなかったり、嘘を述べるといったようなことが困難となると考えられます。

養育費の不払いで罰則?懲役?

上で述べた通り、罰則が強化され、懲役刑が導入されたのは、あくまでも財産開示手続に対して出頭しなかったり、虚偽を述べた場合です。

そして、財産開示手続を利用できるのは、調停調書や判決、公正証書といった債務名義を取得している人に限られます。

養育費の不払いがあっても、債務名義を取得していない人は、まず債務名義を取得しなければ、財産開示手続に進むこともできないのです。

養育費の不払いがあるというだけで、直ちに罰則が科せられ、懲役刑となるかのような情報がSNSに出回ったことがあるようですが、若干正確ではないので注意してください。

相手の財産に関する情報取得の手続きを利用できる

2020年4月に施行された改正民事執行法によって、調停調書や審判を得ていれば、相手の財産に関する情報取得の手続きを利用できるようになりました。

具体的には、相手の預貯金情報や、不動産情報、勤務先情報が得られるようになりました。

詳しくは、先ほど挙げたリンク先の記事(以下の「参考」に再掲します)をご参照ください。

調停調書・審判で認められた養育費の権利を残すことができる

調停調書や審判を取得しておけば、たとえ相手が破産しても、認められた権利は残り続けます。

詳しくは、こちらの記事をご参照ください。

参考:相手方が破産!?養育費はもうもらえないのか?

したがって、早目に調停を申し立てておけば、認められた養育費の額は、相手の破産にも影響を受けないこととなります。

養育費の不払いの調停をするデメリット

もちろん、養育費を求めることによって、以下のような負担も生じます。

・時間がかかる

・元配偶者と間接的にであれ接触せねばならず、精神的に負担となる。

・費用がかかる

・調停は、裁判の中では比較的短期間に終了する事件ですが、それでも、平均して7か月前後の時間がかかります。

・元配偶者と直接顔を合わせないことも可能ですが、とはいえ、調停委員を介して元配偶者とコミュニケーションを取ることとなります。その精神的負担が生じえます。

・調停は、相手方の住所のある裁判所に申し立てる必要があります。相手が遠方の場合には、遠方の裁判所が管轄の裁判所となります。そのため、多額の交通費などがかかる可能性があります。調停に弁護士を頼む場合には、弁護士費用も生じ得ます。

すぐに養育費が必要な方のための制度

養育費の支払を求める調停や審判をすると、最短でも2,3か月。通常はどうしても数か月はかかってしまいます。

その間に申立人の生活が困難となってしまう危険が現実問題としてあるわけです。

また、家事調停中であっても、途中で生活に危機が生じた場合などもあり得ます。

そのような問題に対処するため、暫定的に養育費について認めてもらうことが必要です。

そのための制度として、「審判前の保全処分」という制度があります。

この制度の利用については、弁護士に相談されるのをオススメします。

養育費の調停の申立てをして養育費を回収しましょう

調停の申立てには、一定の負担が生じることも事実です。

しかし、調停の申立てをしないでズルズル時間が経過してしまえば、その期間の養育費は、どんどん失われていってしまいます。

調停申立てによる多数のメリットを考えたら、早急に調停の申立てをしておくべきであると言えるでしょう。

 

今回も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!



 

 

 

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