贈与税

【早見表つき】贈与税額の計算方法

みなさんこんにちは。

相続と不動産で困った時の一番最初の相談先、

相続と不動産のパーソナルアドバイザー、税理士 兼 弁護士の中澤剛です。

 

この記事では、贈与税の基本について、家族の税金と法律のプロ、弁護士兼税理士の中澤剛が、具体例を使いながら分かりやすく解説します。

贈与税の計算方法

贈与税の計算は、下図の計算式で行います。

差引課税価格(=基礎控除後の課税価格)の算出

まずは、贈与財産の価格から110万円の基礎控除額を引いて、差引課税価格を出します。

1000円未満の額は切り捨てます。

速算表を用いて、税率を掛け、控除額を引く

次に、差引課税価格に対して、税率を掛け、控除額を引きます。

税率や控除額は、速算表と呼ばれるものを使います。

18歳以上の子供や孫が、親や祖父母から贈与を受けた場合には特例税率を使います。左側の赤い表です。

それ以外の場合には、一般税率を使います。右側の青い表です。

具体例① 父親が20歳の息子に500万円

父親が20歳の息子に500万円を贈与したケースを考えてみます。

差引課税価格(=基礎控除後の課税価格)の算出

まずは、贈与財産の価格500万円から110万円の基礎控除額を引いて、差引課税価格は390万円となります。

速算表を用いて、税率を掛け、控除額を引く

次に、差引課税価格390万円に対して、速算表を利用して、税率を掛け、控除額を引きます。

今回のケースでは、左右どちらの速算表を使うでしょうか。

今回は、20歳の息子が父親から贈与を受けたというケースですので、18歳以上の子供が、親から贈与を受けた場合に該当しますので、左側の赤い表、特例税率ですね。

速算表を再掲します。

390万円というのは、「~400万円 税率15% 控除額10万円」となっています。

そこで、

390万円×15%ー10万円

を計算すれば、贈与税額が出る、というわけです。

計算結果は48万5000円となります。

間違えてしまいがちなのですが、速算表を使うときは、あくまでも、

110万円の基礎控除を控除した後

の差引課税価格をベースにして使います。

贈与された500万円をそのまま使うわけではないので、注意してください。

具体例② 祖母が10歳の孫に500万円を贈与

次に、祖母が10歳の孫に500万円を贈与したケースを考えてみます。

具体例①と同じように進めていきます。

差引課税価格(=基礎控除後の課税価格)の算出

まずは、贈与財産の価格500万円から110万円の基礎控除額を引いて、差引課税価格は390万円となります。ここまでは、具体例①と同じです。

速算表を用いて、税率を掛け、控除額を引く

次に、差引課税価格390万円に対して、速算表を利用して、税率を掛け、控除額を引きます。

具体例②では、左右どちらの速算表を使うでしょうか。

今回は、具体例①と違い、右側の青い表、一般税率を使います。

おばあちゃんから孫なので一見特例税率に見えますが、具体例②では孫の年齢が10歳なので、「18歳以上」という特例税率の要件を満たさないためです。

速算表を再掲します。

390万円というのは、一般税率ですと、「~400万円 税率20% 控除額25万円」となっています。

そこで、

390万円×20%ー25万円

を計算すれば、贈与税額が出る、というわけです。

計算結果は53万円となります。

一般税率は特例税率よりも税率が高めなので具体例①よりも4万5000円、税金が高い、という結果になりました。

具体例③ 叔父が30歳の姪に1000万円を贈与

次に、叔父が30歳の姪に1000万円を贈与したケースを考えてみます。

同じように進めていきます。

差引課税価格(=基礎控除後の課税価格)の算出

まずは、贈与財産の価格1000万円から110万円の基礎控除額を引いて、差引課税価格は890万円となります。

速算表を用いて、税率を掛け、控除額を引く

次に、差引課税価格890万円に対して、速算表を利用して、税率を掛け、控除額を引きます。

具体例③では、左右どちらの速算表を使うでしょうか。

今回は、叔父から姪への贈与なので、姪の年齢に関係なく、右側の青い表、一般税率を使います。

速算表を再掲します。

890万円というのは、一般税率ですと、「~1000万円 税率40% 控除額125万円」となっています。

そこで、

890万円×40%ー125万円

を計算すれば、贈与税額が出る、というわけです。

計算結果は231万円となります。

贈与税額早見表

以上が贈与税額の計算方法ですが、贈与税額の早見表を作ってみました。上のような計算をしないでも、一瞬でおおよその贈与税が分かりますので、参考になさってください。

500万円までの早見表

550万円~3000万円までの早見表

3200万円以上の早見表

ABOUT ME
弁護士 中澤 剛
相続と不動産の法律と税金を専門に扱う千代田区内唯一の弁護士 兼 税理士。 相続紛争など、家族にまつわる紛争案件と紛争案件の経験を生かした紛争予防(相続紛争や認知症によるトラブルの生前対策、税金対策)が強み。 「幸せの土台は家族関係」という想いから、日本中に感謝と敬意のある家族関係が増えることを目指して活動中。 息子(10歳)&娘(7歳)の父。 2010年弁護士登録。2018年税理士登録。 東大法学部卒。東大ボート部出身。淡青税務法律事務所所長。 倫理法人会、中小企業家同友会所属。
相続と不動産のお悩みを一番最初に相談するなら

相続と不動産で困った時の一番初めの相談先

弁護士・税理士・宅地建物取引士 中澤 剛

平日9:30~17:00受付

03-5521-0355