みなさんこんにちは。
相続と不動産で困った時の一番最初の相談先、
相続と不動産のパーソナルアドバイザー、税理士 兼 弁護士の中澤剛です。
この記事では、寄与分というものがどのようなものかについて解説します。
この記事を読むと、寄与分というものの大まかなイメージや、どの場面で問題になるのかがわかるようになります。
寄与分(きよぶん)とは
寄与分というのは、簡単にいうと、遺産を増やすのに貢献(寄与)した人がいる場合には、増えた部分はその人の取り分にしましょう、という制度です。
遺産が誰かに先取りされて減ってしまった場合に、その減った分を考慮しましょうという特別受益のいわば裏返しの制度ですね。
特別受益については、こちらの記事を参照してください
たとえば、夫の死亡時の遺産は1億円の預貯金であったとします。
しかし、この1億円は、妻が昼夜を問わず亡くなった夫の介護に尽くし、その結果、ヘルパーを雇ったりすることをしなくてすみ、遺産が8000万円に減っていてもおかしくなかったところ、妻の献身的な介護のおかげで、遺産が1億円残った、というものでした。
この場合には、実際には遺産として扱われるべきは8000万円で、残る2000万円は妻の貢献(寄与)による財産ということができます。
そこで、遺産としては8000万円を法定相続分に従い2等分して妻子に4000万円ずつで分けたうえで、妻には、妻の貢献分である2000万円を加算するという処理をします。
その結果、妻の具体的相続分は6000万円(4000万+2000万)、子の具体的相続分は4000万円となる、というわけです。
裁判ではこのような寄与の額がそのままストレートに寄与分として考慮されることは無いのですが、寄与分の大まかな考え方・イメージは以上のようなものです。
寄与分(きよぶん)の位置づけ
寄与分というのは、簡単に言えば、遺産が誰かの寄与のおかげで増えた場合に、遺産がその人のおかげで増えたということを考慮しましょう、という制度です。
寄与分は、遺産分割の第3ステップで問題になります。
遺産分割の流れについては、詳しくは、こちらの記事を参照してください
遺産分割の4つのステップとは、上図のように、
- 誰が相続するか(相続人の確定)
- 何が遺産分割の対象か、それがいくらか、
- 相続人がそれぞれどのような割合で相続するか、
- どのように分けるか
を、順々に、確定していくステップです。
このうち、「③相続人がそれぞれどのような割合で相続するか」という具体的相続分を決める際に、寄与分は問題になる、ということです。
具体的相続分を決める際には、寄与分の他に、特別受益も問題になります。
具体的相続分は、特別受益を寄与分の両方を確定することで定まる、ということになります。
まとめ
この記事では、寄与分の超基本について解説しました。
具体的に、裁判となった場合に寄与分が認められるのか、認められるとしていくら認められるのか、などについては、当事務所など、経験豊富な弁護士にご相談ください。
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