終活(生前対策)

【弁護士が解説】任意後見制度

この記事では、任意後見制度ってどういう制度!?という方に向けて、弁護士がざっくりとわかりやすく解説します!

任意後見制度とは

ご本人が元気なうちにあらかじめ契約していた任意後見受任者が(上図)、ご本人が認知症になるなどして判断能力が不十分になった場合に(上図)、任意後見監督人の監督を受けつつ(上図)、任意後見人として財産の管理や施設への入所契約などを代行して本人の保護・支援を行う(上図)制度です。

主な利用場面

認知症などで判断能力が低下してしまうと、契約などの取引行為をすることができなくなります。

そのため、例えば、預貯金を下すといった行為ができなくなってしまいます(お金を下すことも銀行との取引の一つです。そのため、銀行は、預金者が認知症であることを把握すると、口座を凍結してしまいます)。その結果、ご本人が認知症になると、ご家族であっても預貯金を下すことができなくなってしまいます。

詳しくは、こちらのリンク(「対策のないまま認知症になるとどうなるか」)をご覧ください。

任意後見人がいれば、ご本人が認知症になっても、任意後見人が銀行との取引を継続できます。

このように、任意後見人は、ご本人の判断能力が低下した事態に備えて、財産の管理や各種の契約行為をしてもらうために利用します。

任意後見人にしてもらえること

任意後見人にしてもらえることとしては、具体的には、以下のようなものがあります。

  • 不動産や動産、預貯金投資信託株式その他の財産の管理・保存・処分
  • 金融機関との取引など
  • 定期的な収入の受領、定期的な支出を要する費用の支出などの手続き
  • 生活に必要な費用の送金、金員の受領、物品の購入、代金の支払い
  • 医療契約、介護契約などの締結
  • 病院入院、施設入所の契約
  • 要介護認定の申請など
  • 居住用不動産の購入、賃貸借契約の締結、住居の新築・増改築
  • 実印、キャッシュカード、クレジットカード等の保管・使用
  • 登記や住民票の申請手続など
  • 遺産分割協議など相続にかかわる手続き
  • 以上に関連する訴訟
  • 代行者の選任
  • 以上にかかわる費用の支出

任意後見制度のメリット

その1 自分が信頼する人を任意後見人に選ぶことができる

任意後見は、その名のとおり、任意に(ご自分の意思で)自分の信頼できる人を後見人に選ぶことができる制度です。

法定後見の場合は、裁判所が後見人を選ぶので、見知らぬ人が後見人になるリスクがありますが、任意後見にはそのようなリスクはありません。

任意後見 法定後見
後見人を自分で選べぶことができるか 選ぶことができる 選ぶことができない

(裁判所に決定権)

その2 柔軟な対応が可能

法定後見の場合は例えば自宅不動産の売却には裁判所の許可が必要ですが、任意後見の場合には、裁判所の許可をいちいち取る必要はなく、柔軟な対策が可能です。

その3 監督体制が整っている

任意後見人を監督する任意後見監督人がつきますので、任意後見人の不正のチェック体制も整っています。

注意点

その1 判断能力が無くなってからは利用できない。

判断能力がある時でないと任意後見契約を締結できません。

その2 一定のランニングコストがかかる

任意後見は、ご本人の判断能力低下時に開始しますので、後見人を監督する専門家(任意後見監督人)が必ずつきます。

そのため、任意後見監督人の報酬が毎月発生します。

 

<制度利用の流れ>

任意後見制度利用の流れは、上図のとおりです。

  1. ヒアリング
  2. 契約書案文作成
  3. 公正証書作成

の3ステップで、まずは任意後見契約を締結します。

任意後見契約は、必ず公正証書で作成しなければなりません。

そして、いざご本人の判断能力が低下した場合には、

  1. 任意後見開始の申立て
  2. 任意後見監督人の選任
  3. 任意後見開始

という流れになります。

ABOUT ME
弁護士 中澤 剛
家族との法律トラブル予防・解決弁護士。 相続紛争や離婚紛争など、家族にまつわる紛争案件と紛争案件の経験を生かした紛争予防(相続紛争や認知症によるトラブルの生前対策など)が強み。 「幸せの土台は家族関係」という想いから、日本中に感謝と敬意のある家族関係が増えることを目指して活動中。息子(9歳)&娘(6歳)の父。 2010年弁護士登録。東大法学部卒。東大ボート部出身。淡青税務法律事務所所長。倫理法人会、中小企業家同友会所属。
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